店主紹介

店主紹介

保科 知史

1999年4月、それまで料理旅館に勤めていた私は先輩の紹介で、株式会社高台寺和久傳に入社しました。配属先は京都和久傳です。

京都和久傳は京都駅の駅ビルである京都伊勢丹の11階にあり、窓側のカウンター席に座ると京都市内を一望でき、四季折々の風景が楽しめます。

京都市は盆地なので北、西、東と山に囲まれており、夏の山や冬の雪景色がとても綺麗ですが、中でも1番お客様に喜んで頂けるのは8月の大文字の送り火です。
お盆に迎えた先祖の霊を送る『五山の送り火』が店内から全て見る事が出来ます。

京都和久傳に入社すると、それまで1年半しか調理経験のない私でしたが、焼場のアシスタントというポジションにつかせて頂くことになりました。料理長、煮方、向板、焼場、八寸場、おしのぎ、というポジションがある中で最初から焼場に入れたのは幸運でした。

朝の8時に出勤し、仕込みと営業準備、ランチ営業、夜営業の準備、夜営業、片付けが終わると23時頃に退勤という1日の繰り返しでした。

焼場では季節ごとの食材を炭焼きや、揚げ物にする技術を習得しました。春は鯛や山菜、夏は鱧、鮎、鰻、秋は松茸や鮭、冬は河豚に甘鯛、鰆等です。それに加えて京都の鷹ヶ峰から届く京野菜です。

アシスタントから始めた焼場でしたが、責任者まで任せて頂ける様になりました。
そして、その頃には向板の補助もさせて頂ける様になりました。

向板になると魚のおろし方、保存方法、お造りにする際の包丁の使い方、盛り付け、又、カウンターでの接客など教わりました。

京都和久傳では、1ヶ月ごとに献立が変わりますが、1日200食以上の魚をおろしたり、ひいたりを継続する事で早く綺麗にする仕事を習得出来たと思います。
又、お客様の一挙手一投足を見逃さない事も教わりました。

向板の経験を積んだ次は煮方です。
煮方は文字どうり煮物をするポジションで、鰹出汁を取ることから始まりお客様に提供する全ての味付けをします。又、料理長の次のポジションということで、店全体を纏める重要な役割があります。

煮方での経験を積み、京都和久傳に入社して5年が経過した頃、紫野和久傳へ移動する事になりました。

紫野和久傳は食を通じて、季節の移ろいや和の文化を伝え、四季に恵まれた旬の恵みを丹精込めて『おもたせ』に仕立てます。

その中で私は弁当工房に配属されました。
ここでは『鯛ちらし』¥2500や『陶箱弁当』¥4500などのお弁当や、冬子椎茸や昆布の佃煮、くるみや黒豆の和菓子などを製造していました。

京都和久傳のような店舗とは異なり満席という概念がない紫野和久傳では、今までよりもさらに、数をこなす事になりました。

そして30歳を超えた頃に紫野和久傳弁当工房の料理長をさせて頂ける事になりました。季節ごとのお弁当の新作を考えたり、お弁当を納品している京都伊勢丹へ自ら営業に行ったり、スタッフをまとめたり、料理長になって初めて気づく事が沢山ありました。

店主 保科 知史

経歴

1999年4月~2016年9月 和久傳にて勤務。
2020年6月~ 日本料理と日本酒惠史を開業